Dementia
医療と介護にまつわるコラム
認知症について
2006.10.10
ニックネーム「やぶれがさ」って・・・破れ傘?
そうです、破れ傘。わかる人は少なくなったかな、「破れ傘刀舟」。「破れ傘刀舟」こと叶刀舟は、江戸時代、長崎で医学を修めた蘭学医。(ちょっと待って、これはあくまでもフィクションです、念のため。)その腕は確かだが、昼間から酒を飲むほどお酒好き。弱い者、貧しい者の味方である刀舟は、権力者によって理不尽にも弱い民たちが斬殺、蹂躙されたのを聞いた時、その顔いっぱいに怒りを表し、悪党たちを前に仁王立ちして、「てめえら人間じゃねえや!叩っ斬ってやる!」……この決め台詞、あまりにかっこよすぎたのでニックネームに「採用」。「赤ひげ」、「ベン・ケーシー」・・・ほかにも、ドクターらしいドクターのニックネームが見つかっただろうに(どれも古すぎて、いちいち説明しないと皆さんにはわからないですね)と思うんです。 でも「やぶれがさ」がいいんです。

やっぱりこのご時勢、いやいつの時代でも同じかな、やりきれない「怒り」ってあるものですよね。そんな気持ちを、「叩っ斬ってやる!」とか「断じて許さん、桃太郎」(桃太郎侍は医者じゃなかったので不採用)とかって決め台詞で、バッサバッサと悪党どもじゃなくて自分の気持ちを斬ってしまえばあとはサッパリ。よしまた明日から仕事しようって気持ちになっちゃう。
「破れ傘刀舟」と私の共通点(?)のもうひとつは、彼も何でも科のまち医者であること。私の目標も何でも科、なんて言えないけど、いわゆる家庭医としてのまち医者。 子供のときから医者になりたくて、なりたかったのは、弱い者を助ける医者。ねっ、どこか、刀舟に似ているでしょ? ところが、医学部なるところに入ってみたら、卒業までにどれかひとつを選びなさいって。全部教えてくれたから良かったけど、卒業したら、現実にはひとつしか覚えなくても良くなってしまった。 最初になろうとしたのは、ベン・ケーシーみたいな、彼イコール脳外科医じゃないよ、人の心に触れる医者。でも、どこか現実の医者とはかけ離れてる。しっくりこない。そう思っていたら、いましたね、本物の心の医者が。彼の名は、パッチ・アダムス。ただ、彼は小児科医でした。でも、彼の生き方はすごく参考になりました。
今の私?やっぱり何でも科を習得したい。専門医時代に逆行してどうするんだろうって? だって、この街の人たちが好きだから。 人間はロボットじゃない。当たり前だけど、部品ひとつで元に戻らない。いつも全体を見ていないと病気を治したことにはならない。だからいろいろお節介をやきたいし・・・。お金の相談はこっちがしたいけど、健康と病気の相談なら何でも答えてあげたいし・・・。かと言って何でもできるわけじゃない。でも、最低限のことは習得していたい。このくらいのことなら私に任せなさいって(心ではいつも語りかけています)。 だから、うちは脳外科医院じゃなくて・・・なんでも知ったかぶり(?)のアットホームな医院です。
by やぶれがさ
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