北海道認知症疾患医療センター 第67回スタッフ研修会講演原稿

「認知症疾患センター 島田」のとりくみ

10月20日に北海道認知症疾患医療センターの第66回スタッフ研修会がありました。今日お集まりの皆様はほとんどの方がその研修会に参加されたか、あとでビデオ配信をご覧になった方たちばかりかと思います。その研修会の後にですね、「島田でもこんな取り組みを始めましたよ」と漏らしてしまったのがまずかったとあとで後悔しました。「医療従事者の考えるチームオレンジの取り組みって面白そうですねえ」と事務局から言われてしまいまして今日の研修会になってしまったからです。

そんなわけでして、ホントに面白いお話になれば良いのですが、今日お話ししようと思っているのはこのスライドに紹介した3つです。チームオレンジのこと、それから「出前カフェ あおぞら」のこと、そしてその他、です。

「医療従事者の考える取り組みと言われた」と先ほどお話ししましたが、医療従事者というよりも医者の肩書を持ったただのおっさんが考えたたわごとだと思って聞いてください。医療従事者でなければやれないとか、認知症疾患医療センターの人間でなければやれないとかというものでもありません。ただし、内容はどれを取っても認知症サポーターのグループ活動と深い関係があるもので、これぞ「チームオレンジ」だと思っていることですので皆様の日々のご活躍のヒントにしていただければ幸いです。因みに、小樽市の介護・福祉課の方々や地域包括支援センターの方々はこのたわごとを最後まで聞いてくださいました。改めてこの場を借りてお礼を申し上げます。

ということで、まずはじめに研修会のタイトルの「認知症疾患センター 島田」ですが、このタイトルに首をかしげた方も多いと思います。「認知症疾患医療センター 島田脳神経外科」これでは長いから省略したんだろうと言えばそれまでなんですけれども、実はそれ以外にも意図したところがあるので、そこを少し説明するところから始めようかと思います。    

今日お話ししたいことはそのことも含めて6つの内容についてです。

それでは、まず1)の「認知症疾患センター 島田」についてです。

一般に言う認知症疾患医療センターとは、 スライドのように、かかりつけ医や地域包括支援センターなどの地方自治体、それから介護・福祉事業者、こういったところと「連携」し、認知症の方やその御家族が住み慣れた地域で安心して生活ができるための支援を行うところということです。スライドの茶色の矢印が「連携」を意味していますから、矢印は双方向の矢印となっています。

当センターはスライド下にあるように、正式には「認知症疾患医療センター 島田脳神経外科」ということですが、たしかに名前が長すぎます。それと、「認知症疾患」という言葉ですが、これは「認知症+ほかの疾患」ということでして、認知症を併せ持っているがゆえに他の病気が悪くなってしまうことがないように相談窓口となり診断治療を行うところが認知症疾患医療センターというわけです。しかし、医療センターとなると医療従事者というイメージが強くなりますが、すでにたくさんの認知症サポート医の先生たちが日々認知症疾患の医療を施されています。一方、私共が目指すのは、センターのもう一つの重要な役割、「連携」という仕事です。この「連携」という仕事があってこそのセンターではないかと思っていますので、さすがに、医療の部分はほかの先生たちに譲ったとしても「連携」だけは譲れないということで、「認知症疾患センター」という言葉にしました。

さらに、島田脳神経外科となってはいますが、すでに脳神経外科手術は辞めてしまったのだから「脳神経外科」という文字も不要とのことでこれもとってしまって、「認知症疾患センター 島田」と呼ぶことにしました。

ある時、道庁の担当者の方から、こんな言葉をいただきました。認知症疾患医療センターは「認知症施策全般の中核的な役割を担うことを期待されている」というお話です。これが激励してくださった言葉なのか喝を入れてくださった言葉なのかその真意を確かめることはできませんでしたが、痛いところを突かれたなという思いがしました。

なぜなら,主要な地域にはすでに地域包括支援センターが設置されています。活動実績も上げておられます。前回の本研修会でもチームオレンジの活動を立派に紹介されていたのは皆さまもご存じのとおりです。

また、認知症サポート医も増えて一般の先生たちが認知症疾患の診療もそこそこにやってくださっています。

地域包括支援センターからは認知症初期集中支援チームに相談が来ますが、認知症疾患医療センターには相談がありません。地域包括支援センターの皆様にはこれを機会に認知症疾患医療センターの役割について知っていただきご活用いただけたらと思います。

また、日常診療の場面では、困難な症例だけ認知症サポート医の先生方から診断治療を依頼されるくらいで、これが中核的な役割と言えるのかと苦しむ毎日でした。

そんな認知度の低い認知症疾患医療センターが「今度から認知症施策全般にわたってうちが中核的な役割を果たすことになりましたから」と割り込んでいくなんてケンカを売るようなものです。

そこで、私共は考えました。平たく言えば、認知症の人も一緒に暮らす地域づくりの活動全般に何でも首を突っ込んでいいよということを言ってくださったんだろと都合よく解釈しました。ただし、トラブルを起こさないように「連携」をうまくやりなさいということでしょうと理解しました。そして、思いついたのがこれからお話しする6つの事柄です。

まず最初に着目したのはボランティアの人たちについてです。

今年度の最初の活動として、4月に認知症疾患医療センターの本来の業務である「認知症相談会」を始めました。コロナ禍ということもあったので小規模の会を企画したのですが集まってくださったのはなんと認知症のご家族ではなく認知症に関心の深いボランティアの方たちでした。同時に認知症サポーターの方たちでもありました。結局「認知症相談会」は不発に終わったわけですが、実はこれが天の恵みとなったのです。

以前から「地域活動」というものに関心があったのですが、この会を通して、実際にボランティア活動をしている人たちとお話しする機会が得られ、ボランティアの人たちもほかのボランティア団体の活動の様子についてはほとんど知らず、時として同じような活動をしているものもあるだろうということがわかりました。それでスタッフに市内のボランティア活動について調べてもらったところ、市内にはボランティアの人たちが約4000人もいました。またボランティア団体も103団体もあり、内容も多岐にわたっていました。そこで一部の活動家の人たちにネットワークづくりをやらせてください、と名乗り出ました。地域包括支援センターの方たちも時々ボランティアの人たちに声をかけていらっしゃるのは気づいていましたが、たぶんネットワークを利用しているのではなく、たまたま熱心に活動していらっしゃるボランティアの方に声掛けしているだけだろうと思っていたので、ボランティアの人たちのネットワークを作り連携するチャンスだと思ったのです。皆さんは賛同してくださったのですが、小樽市には今年スタートしたばかりの第1次地域福祉活動計画「たるたる支え愛ぷらん」なるものが既に存在していました。ネットワークを作るという計画は入っていないようでしたが、直接的な介入は避けることにしました。

過去に認知症サポーター養成講座を手掛けたことを思い出して、もう一度、認知症サポーターを増やそうかと考えました。これには次の事柄がヒントになりました。

当初の認知症サポーターの役目は認知症を知り街で困っている認知症の人に声をかけるということが主たるものでした。現在の認知症サポーターに求められるものは

1.認知症に対して正しく理解し、偏見をもたない

2.認知症の人や家族に対して温かい目で見守る

3.近隣の認知症の人や家族に対して、自分なりにできる簡単なことから実践する

4.地域でできることを探し、相互扶助・協力・連携、ネットワークをつくる

5.まちづくりを担う地域のリーダーとして活躍する

ということで、小樽市の認知症サポーターは同時に小樽市の街づくりのサポーターだと言ってもあながち間違いはないでしょう。

ということで、ボランティアの人たちと連携する試みは後回しにしまして、もう一度認知症サポーターを増やして、こちらでネットワークを作って連携しようと考えました。ちょうどそのころ介護施設の新人研修のための認知症講義を依頼されました。対象者は認知症サポーターを知らない人たちばかりでしたのでチャンスとばかりに認知症サポーター養成講座をおこないました。そこから始まり、ボランティアや介護施設従事者の人たちの中には認知症サポーター養成講座という言葉すら聞いたことがないという人たちが意外にも多いということがわかりました。

そこで考えたのは、ボランティアの人たちを認知症サポーターにしてしまおうということでした。認知症サポーターになれば同じボランティア活動でも、地域づくりのサポーターという位置づけが与えられます。認知症サポーター養成講座に一度参加するだけでボランティアの人たちも認知症サポーターとして登録され、オレンジリングもしくは認定カードをもらうことができます。スライド右上にあるのがオレンジリングですね。最初はただのオレンジリングでしたが、今はロバ隊長が3頭も付いています。認知症サポーターに期待される役割が増えたことを意味しているのでしょうか。真ん中にあるのはヘルプマークと言って障害のある人が持つものでこのマークを見かけたら手を貸してくださいというものですね。下にあるのがオレンジサポーターカードですね。残念なのは、カードには「私は認知症サポーターです」と書かれていることです。道で迷っている高齢者にこのカードを見せると「俺は認知症じゃないぞ」と怒られることもありそうで認知症サポーターの士気を低下させるのではないかと思うのです。個人的には「困っている人のお手伝いをしています」と書いてほしいと思っています。

そこはさておき、ボランティアの人たちや介護施設で働く人たちを認知症サポーターにステップアップすると認知症サポーター人口は増えるでしょう。増やしてどうするかが次の課題です。

ボランティア活動をしている人や介護に関心が深く施設で働く人たちが認知症サポーターになってくれると、「認知症の人たちを支えて共に生活する地域づくり」というものの本質を理解してくれる人たちが増え、認知症サポーター全体の視野が広がると思います。例えば、ボランティアの中には少なからず特技をお持ちの方がおられます。認知症サポーターの登録台帳をしっかり作れば、オレンジカフェに協力してもらえるボランティアを探すのも楽じゃないでしょうか。また、初期集中支援チームさえも介入に難儀しているような認知症の困難事例への支援を呼び掛けたり、独居老人の安否確認を多職種のグループで連携をとってもらうことも運営しやすくなると思います。

とはいうものの、認知症サポーターをくまなく探して登録し、そこに役に立つ情報を盛り込んで、必要な時に必要なメンバーでチームを組めるようなシステムを作るのは大変な作業です。そんな認知症サポーターのグループ活動を考えていた時に偶然厚労省の「チームオレンジ」構想に出会いました。

令和2年12月31日現在で報告された全国の認知症サポーター数は約1300万人、北海道では約49万人、小樽市では総数約1万人だそうですが、実際に活動している認知症サポーターの延べ人数については把握できていません。これは認知症サポーターの活動報告などを伝え合うICTを利用したシステムなどができていないためです。今後「チームオレンジ」構想を推進するにあたり、認知症サポーターの人たちを「登録」し、先ほど述べたボランティアの人たちの活動も「見える」ようにし、介護施設従事者のスキルアップを兼ねて認知症サポーターになっていただき、かつ、学校の授業にも養成講座を取り入れていただき、彼らに任意で参加できるチーム活動の場を提供したり、チームで取り組んでいる活動についての報告や話し合いができる情報発信の場を設けるシステムが必要です。

「認知症疾患センター 島田」が考えた「チームオレンジ」が厚労省の施策と一致しているのか、その詳細は吟味していませんが、「認知症疾患センター 島田」が考える「チームオレンジ」の基本原則は、➀小中高生の参加も視野に入れて多職種で構成して多方面から関われるようにする➁チームの構成にあたっては各人の自由意思を無視してはならない、➂チームは暫定的なものとし、出口の見えないミッションでチームのメンバーが疲弊することがないようにする、④チームのメンバーは常に連絡を取り合う手段を持ち互いに協力し合う、ということです。

小中高生を含めた認知症サポーターで作る「チームオレンジ」は非常に意義があると思います。小中高生にもオレンジカフェに協力する機会を作ってあげることは素晴らしいことです。

また、⑤として「チームオレンジ」の活動はあくまでも支援であって、活動の主役はご本人やご家族であるという意識を忘れないことだと思います。認知症の方が主体的に活動したいと考えていることを実現するための裏方に回るという意識を常に持つよう心掛けることが大事だろうと思います。

このように、認知症サポーターにたくさんの人たちが登録され、かつ、ステップアップ講座を受講され、チームが必要になったときにいつでも任意でチームに参加され、任務終了と同時に別なチーム活動ができるというのは達成感のあるボランティア活動になるのではないでしょうか。

厚労省が打ち出した「チームオレンジ」のまとめ役は地域包括支援センターだと思いますが、認知症疾患医療センターは2次医療圏に最低一つを目標に設置されています。現状ではまだ100%設置率に達していませんので、私共は小樽市だけではなく後志圏の認知症疾患医療センターとしての重責を負わなければならないと覚悟しています。言い換えると、認知症サポーターで作る「チームオレンジ」の活躍の舞台を小樽市内あるいは後志圏内に拡大して呼びかけ活動を支援する役割も担っていると考えています。

ということで、町で困っている人に声をかける認知症サポーターから認知症の人とともに住める街づくりを支援するサポーターとして活動してもらうために「認知症疾患センター 島田」が考えた「チームオレンジ」の果たす役割についてまとめてみました。➀従来のボランティア活動が「見える」ようになり、評価してもらえるようになる➁途中で躓いても新たなチームを編成して継続することができる➂認知症初期集中支援チームの活動を支援することができる④小中高生の参加は人間形成という面においても意義が深い⑤高齢者就労支援事業を支援することができる⑥小樽の街づくりプロジェクトを作って活動することができる、など、チームオレンジの活動の舞台は無限に広がるでしょう。

少しだけ話がそれますが、「出前カフェ あおぞら」についてお話をさせていただきます。

「出前カフェ」というカフェ、聞きなれない言葉だろうと思います。もともとはオレンジカフェって楽しそうだからやってみたいなというところからスタートしました。認知症講演会のようなものも何度かやったんですが、講演会ばかりやっても楽しくありませんでした。楽しくないから、講演の合間に手品を交えてみたりもしていました。とはいえ講演会はオレンジカフェの目的ではありませんし、オレンジカフェは聞いてもらったり見てもらったりするだけのものではないのでどうやったらいいのかさっぱりアイデアも浮かびませんでした。でもとにかく楽しそうに何かをやってる高齢者の人たちの顔が見たいという思いは続き、だったら、場所を一カ所に固定しないでプチ講演会付きのオレンジカフェを移動しながらやったら一回りくらいはできるんじゃないかということで、「巡回型カフェ」とか「移動型カフェ」とか、いろいろ考えてました。結局その当時模索していたのは自前型の「オレンジカフェ」でしたから、いずれ行き詰まることは見え見えでした。

ところが、センターとして活動してくれるメンバーが集まるようになり、新たな光が見えてきました。それが出張サービス「出前カフェ あおぞら」でした。

令和3年10月23日に小樽市内のご町内で「出前カフェ あおぞら」を新規にオープンしました。右上の写真は小樽ジャーナル紙に載せてくださったその時の様子です。

「医療従事者がカフェやろうって言ったって何ができるんだ?」と言う声も事実聞かれましたが、所詮医療従事者なんだから医療従事者にできることから始めたらいいじゃないかと開き直ることにしました。一方、世間はコロナ禍という問題も抱えていました。

この新型コロナウィルス感染症は世界中に大きな影響を与えましたが、今話題となっている高齢者のフレイルやサルコペニアという問題にも全面的な影響を与えました。とくに、フレイルに関しては、身体的フレイル、心理的フレイル、社会的フレイルのすべての要因にこのコロナ禍という状況は多大な影響を与えてきました。

介護施設の入居者などは外に出る機会もなく、デイサービスやデイケアサービスもお休みになってしまってましたので、何かをしないとみんな認知症は進むし、筋力は衰え骨折者が増える一方ということで、介護施設の敷地を借りて外で出前カフェをやったら多少は喜んでもらえるだろうとの意見もありました。最初は介護施設の協力を得て施設の敷地内で「出前カフェ あおぞら」をオープンというところまで話が進んだのですが、やっぱり「医療従事者のやるカフェって何よ」という疑問には答えられずにいました。そうしているところに、スタッフの一人が町内会の会長に出前カフェの話を持ち掛け、町内会長さんも「非常事態宣言が解除になり町内のお年寄りのために何かしないとならないと思っていたので、ぜひ何でもいいから集まる機会を作ってほしい」と言ってくださいました。カフェだろうとなんだろうと、みんなが自主的にやろうとしているところにお邪魔したいということなんだからやればいいじゃないですか、ただお客さんでお邪魔しても迷惑がられるだろうから、だったら「お邪魔します、出前カフェ あおぞらでーす」と言って入って行ったらいいんじゃないですか、ということになりました。

カフェのスタイルはいろいろあってしかるべきですが、徐々に増えつつあるオレンジカフェは、維持することに行き詰まりを感じているように思います。開店した以上は閉店はしたくない、でもいつも同じメニューでいいんだろうか、退屈したら来なくなるのでは始めた意味がない、認知症のご家族に対する取り組みも大事なのはわかっているが自分たちでは困難な部分もある、など現状で抱えている問題も少なからず出てきているように思います。一方、認知症サポーターの人たちの中には特技を持っている人たちがたくさんいそうです。この人たちに応援を要請するところがあってもいいと思います。参加者のニーズに合ったメンバーを募って「オレンジカフェ」に応援に行ってもらいましょう。また、認知症サポーターの人たちが自分たちで仲間を募って「臨時カフェ」を開催して市内を回ってもいいですよね。その声掛けをしてくれるセンターがあってもいいと思いませんか?また、「出前カフェ あおぞら」のメニューとして参加してくださるなら願ったり叶ったりです。「認知症疾患センター 島田」は、既存の老人会やオレンジカフェや今お話しした「臨時カフェ」に「出前カフェ あおぞら」としてお邪魔させていただきます。メニューはありません。「出前お願いします」の電話があれば、どんなご要望にも応じられるよう下ごしらえをしてお邪魔させていただきます。料金は無料ですが、当面は営業時間が不規則になりそうです。ご相談に応じます。

「出前カフェ あおぞら」はオレンジカフェではありません。認知症の人がいなくても出張いたします。

5つ目の高齢者就労支援事業についてです。

「人生100年」をテーマに健康寿命を延ばそうと私共は考えています。その一つの手段が「就労」だと思います。一部の認知症を除けば、「就労による社会参加や地域貢献への取り組みを通して、認知症予防・要介護度の重度化防止の効果が期待」できます。他者との交流やコミュニティへの参加は、神経細胞ネットワークを強化し、認知症の予防と進行を防ぐうえで高い効果があることが、各種の研究で明らかにされています。

高齢者就労支援事業は、「認知症疾患センター 島田」だけでできるはずはありませんが、医療従事者が認知症施策としての高齢者就労支援事業にかかわれるのはこのセンターだけかと思います。だから積極的に自治体に訴える必要はあります。自治体の方々や商工会議所や中小企業家同友会、各慈善事業団体の方々のご理解と温かい支援を求めなければならないと思っています。

最後におまけとしたのは、小樽市を観光都市として活性化するための一つの提案です。北海道はトタンの屋根が特徴です。トタン屋根は色を付けることができます。坂の街小樽なら、海から見た青と赤の街並みはとても美しく見えるでしょう。また、小樽市は歴史ある街です。歴史があるからこそ、そこに愛着を持ち、年をとっても住みたいと思う人々がいます。しかし、この坂の街は高齢者には住みにくい街でもあります。この矛盾を解決しなければなりません。

この街づくりの運動についても「認知症疾患センター 島田」とは直接つながるところはなさそうですが、ここでお話しした認知症サポーターを増やし、「チームオレンジ」結成のシステムも出来上がれば、若手の町おこしプロジェクトに自治体も協力できるのではないでしょうか?そして、こんなことを考えているもの好きな「認知症疾患センター 島田」を知ってくださる人が現れたら、いつか声がかかるんじゃないでしょうか。楽しみです。

このスライドは、社会全体で認知症の人々を支えるため、介護サービスだけでなく、地域の自助・互助を最大限活用することを訴えて、厚労省が打ち出した最新のイメージです。

府省とは内閣府と12省庁のことかと思いますが、厚労省のみならず関係府省と連携し地域の取り組みを最大限支援し、関係団体や民間企業などの協力も得て、社会全体で認知症の人びとを支える取り組みを展開しようとするものです。

今日のこの研修会で聞いていただきたかった内容は以上です。

「認知症疾患センター 島田」はその母体は有床診療所です。診療所のスタッフとしての業務を兼務するメンバーで構成されている弱小センターです。このセンターが小樽市、ひいては後志圏内の地域の皆さんのご期待に答えるには「連携」を形にするしかないと考えました。足りないスタッフは外に協力をお願いするのが理想的だと考えました。今後認知症サポーターの人たちと地域包括支援センターの方たちの活躍が大いに期待されることでしょう。

最後は、「出前カフェ あおぞら」の店長としてのごあいさつです。

当面はここでお話しした内容を広めていくために、市内各所で「出前カフェ あおぞら」を展開していく予定です。

「あおぞら」は屋外で、ホントの青空の下でオープンする「無料」の出張型のカフェです。

来年は青空の下で今日のお話を聞いてくださったどなたかとお会いできることを楽しみにしています。

「出前 一丁!」が入ったようです。

ご清聴ありがとうございました。

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