Dementia
医療と介護にまつわるコラム
認知症について
2009.10.30
対応、デイケアセンターでの取り組みを例に
15年経った今読み返してみても何ら色褪せてない内容に頭が下がる思いです。誇らしいケア専門士です
周辺症状と対応について述べる予定でしたが、沢山の資料、雑誌、教科書を読んでいるうちに自分が混乱してしまいました。 それだけ、認知症の方、ご家族の方達は、多くの困難や問題、不安を抱えて生活されていると改めて考えさせられました。 結局、いまだに原稿もまとまらず・・・・ そこで、今回は認知症に対する、てみやデイケアセンターでの取り組みを少しお話させて頂きます。
てみやデイケアセンターでは、集団による風船バレーのようなゲームや、勝ち負けの結果が出る競技的なものは行っておりません。楽しんで体を動かす事は健康的で有意義とは思いますが、ご自分で希望されないゲームで「負ける」と言う事はストレスや自信喪失に繋がるのでは?との考えからです。
私達のセンターには、幸い(?)著しい認知症の症状の方は通所されていません。 たとえば、認知症高齢者の判定基準で2bの方がいらっしゃいます( 自宅でも尿失禁や物忘れもかなりみられ)、3日前に来所した事も覚えていません。 来所してもスタッフが話かけるまで、じっと真正面を向き、椅子に腰掛けているだけでした。 その方に対し私達は、無理強いしない、淋しがらせない、ペースに合わせる、そして馴染みやすい深い人間関係を築く(院長の講演で説明がありました)を実行してみました。 放置するのではなく、自分から行動を起こすのを待つケアです。
2月、軽作業の時間に豆まき用の鬼の面を作る事になりました。 いつものように椅子に座っていたKさんは、他の方々が赤鬼を作るのを黙ってみていましたが「こんな色の鬼もいるよね?」と、青のクレヨンを差し出してくれました。 その後はご自分で色を選ばれ、あっという間に鬼の面を描きき上げてしまいました。 その時の鬼が、この画像の青鬼さんです。

とても上手ですよね。 現在Kさんは、鬼のお面をスタッフ一同に褒められ、自信が付いたのか、来所される度に、塗り絵や折り紙、壁掛けなど積極的にこなされ、 更には、お手伝は必要でしたが、お裁縫まで出来るようになりました。
作業だけではなく、画期的な事に、生活面でも誘導無しでトイレへ行かれ、失禁は無くなりました。軽作業に自信が付くと同時に日常も活性化されたように思います。
脳の活性化には、回想法、音読、音楽や絵画、計算など、色々な取り組みがなされておりますが一番大切な事は、楽しく行う事です。楽しく運動や作業をする事は記憶を司る海馬の働きを高めるそうです。
認知症の方はご自分で体の不調を訴えられない場合もありますので、スタッフ一同、体調の変化にも注意しながら、毎日楽しく、笑って過ごせるように、認知症ケア、脳のリハビリをさせて頂いております。
認知症の方達は「何も出来ないひと」「困った行動を起こす人」「理解しがたい人」と、問題視されることもありますが、でも、一番困っている人は認知症のご本人だと思います。 ちょっとした心使いや、接し方で、症状が緩和される事も少なくありません。 危険を防止した上で、前述した「無理強いしない、淋しがらせない、ペースに合わせる、馴染みやすい関係を築く」を実行してみてはいかがでしょうか。 これは、認知症の方だけではなく、人間関係において必要な事かも知れませんね。
by H
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