Healthcare
医療と介護にまつわるコラム
病気と健康
2006.10.21
いのちのスープ・・・作ってもらいました
いのちのスープ、正しくは、いのちを支えるスープ、・・・ご存知でしょうか? 料理家、随筆家である辰巳芳子さんの著書「あなたのために」のサブタイトルです。 料理家でもなく、しかも長い人生の中でコンソメスープを作った思い出がたった一度あるだけの私が、この方とその著書を知ったのは、NHKの番組からでした。その、穏やかな響きのタイトルに惹かれて2冊購入、1冊は自分用に、もう1冊を栄養士に託したのです、「愛をかたちにしたひと」、そんな料理家の存在を知ってほしくて。

ほかの料理の本のことはよく知りませんが、この書は「料理本」として分類すべきものではありません。 この著書の最初の章に、「煎汁」というタイトルがあり、そこにはこんな言葉が書かれています。
生命の始めから、その終える日まで、人に寄り添ってくれる汁がある。それは、煎じて作られたものに多い。 愛につられ、無心に、 よくなるように、よくなるようにと、 鍋中を見守る。 いつしか天は、用意のある人を作り、 いざの時、必ず、手を差しのべる。
そして最初に紹介されたスープ、それは玄米スープでした。 「いろいろなスープをいただいたけれど、あなたの、あのスープがいちばんおいしかった」
当院は開院以来ずっと玄米食を続けてきました。最初は安い米を使っていると誤解されたこともありましたが、お米屋さんに頭を下げても取り寄せてもらうまでして玄米食を守り続けてきました。(玄米は高いんですよ、保険の範囲内でまかなうのは至難の業なんです。この機会にご理解を。) さて、いのちを支えるスープの代表として登場したこの玄米スープ、・・・作ってくれました。
『本当に『他人』には作る事はないだろうなぁと、作りながら思いました。もちろん、自分の為には決して作る事は無いと思います。この玄米スープの項のくだりに、「高齢、病弱以外にも、激務、学究の方、乳幼児などに湯茶代わりにすすめるのは愛であろう」とありました。本当に、《愛》が無いと作れない…これが私の素直な実感です。でも、出来上がったスープを濾して残った玄米がとても素朴な味がして…思わずパラパラになるまで炒ってしまいました。美味です!』
・・・まずは作ってくれた栄養士(管理栄養士です)の感想です。 「スープを濾して残った玄米」、後に残ったものも生かしたしたんですね。でも、エキスは愛する人のためにすべてささげてわずかに残っただけのもの、そう考えると、なんだかドラマチックであったかいです。 湯茶代わりにいただいたこのスープから感じる愛はとっても淡い愛でした。それは恋人の愛ではなく、家族の愛。ちょっと気障(きざ)ですが、真実だと思います。 この玄米スープ、この著書「あなたのために―いのちを支えるスープ」、に出会ったのも何かの縁でしょう。いつかみんなにも、このホッとする味を分けてあげたい…と思います。
・・・・・・・・・・ すばらしいスタッフに囲まれて仕事をしています。一緒に仕事を始めて○年(歳がバレたら叱られます)、ずっと支えてきてくれました。もう辞めたい、と言われる日が来るのが、正直怖いです。
by やぶれがさ
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